鉄人28号への愛

小説のお仕事も終わったというのに、なんだかこの頃、鉄人28号への愛がさらに高まっている。
どうしたもんだろうか。(苦笑)

小説版の鉄人28号は、じつは最初にふたつのプロットをつくった。
一本は、じっさいに執筆したもの。もう一本は、いろいろ考えて自主的にボツにした。
でも、なんだか、このボツにしたお話も書きたくてたまらない。

これが、どのようなお話かというと……。
鉄人28号は大平洋戦争に勝つために開発されていたロボット。というのが、故横山先生の初期設定だ。
だとしたら、もし、鉄人の開発が終戦に間に合っていたら。つまり、開発目的の通りに大戦中の決戦兵器として日本軍が開発に成功していたらどうなっていたか、というお話を考えてみたのだ。

ラインとしては、鉄人完成というifを取り入れた時、歴史はどのように変わっていくのかという架空戦記的なノリになったと思う。
個人的な趣味として、物語の最後は大団円で締めくくりたい。ありえたかもしれないある意味理想の戦後を、鉄人によって造りだしていくお話を考えていた。

クライマックスは、もうひとつの歴史としての沖縄戦
空を飛べない鉄人は、戦艦大和の第二主砲塔の上に仁王立ちとなって、沖縄へとむかう。
操縦するは、学徒動員された少年兵、金田正太郎
日本の、いや、世界の運命は、ただひとりの少年と鋼鉄の巨人に託されたのだ!

一方、待ち受けるは、ナチスドイツのつくったあたらしき支配者としてのロボット兵士軍団。それを率いるは、ヒトラーの頭脳を移植された機械皇帝ロビー。

さらに、サイパンを飛びたった二機のB−29に両手でぶらさがったブラックオックスが、沖縄へ急行していた。

日本、米軍、ロボット兵士軍団。三つどもえの戦いの中、勝利するものはいずこか!?


――みたいな感じでノリノリでプロットを作ったことを思いだす。
ううん、どこかで書かせてくれないかなぁ……。