あの日のこと……

うちのディレクターが、慰労のためにライターさんたちに夕飯をおごるという。うらやましいので、自腹だけどくっついていくことにした。
場所は、江古田北口の「虎坊」。女性に喜ばれるようなあっさり味でおしゃれな中華料理店。でも、ここは、本当においしい。値段も安いし、オススメだ。

慰労会はもりあがった。とあるライターさんの意外な正体もわかったし。
でも、月光って、なんでこんなに心ない人ばっかり集まるんだろうか? みんな、愛を持とうよ。大事なのは、愛だって、プラネテスでもいってるやん。(本当か?)


さて、江古田の北口なのだが、あの日以来、とんと足がむかなかった。
そう、北口には、西崎まりのの通夜と葬儀の会場だった斎場がある。
あの日以前には、ただの日常の風景だった斎場。でも、いまは、夜闇の中、黒々とした樹々のシルエットのむこうにそびえる斎場の建物が、物理的な圧力すらともなう感じでこちらにせまってくる。
すこし息苦しくなるぐらいだ。

この感覚も、時間とともに風化していくのだろうか? いまはまだ、ちょっとたえられそうにないのだけれど……。


江古田は、事務所のある町。思考中と称していつもうろついている場所だ。だが、北口の斎場付近には、当分の間だ散歩で立ち寄ったりはできないと思う。